Introduction
ARPJAM Studio へようこそ
ARPJAM Studio は、「制約を加えたランダム」から
ジェネラティブな音楽を引き出すアルペジエーターです。
鳴らす音は AI が決めているわけではありません。
スケール・コード・密度・LFO といった音楽的なルールでランダムを方向づけることで、
毎回ちがうフレーズがひとりでに生まれていきます。
鍵盤を弾くのではなく、音楽が勝手に動き出すための「場」を作る楽器だと考えてください。
「生きているシーケンス」という考え方
ARPJAM Studio はシーケンサーではありません。「次にどの音を鳴らすか」は完全には決まっておらず、 あなたがするのは、そこに方向性を指示することです。 スケール・コード・密度・時間変化といった音楽的なルールでランダムを方向づけると、 無秩序ではない、しかし固定でもない、ジェネラティブなフレーズが生まれてきます。
操作の軸は、大きく3つに分けて考えると分かりやすいです。
- 確率・密度 ── どのくらい音を鳴らすかを決めます
- 制約 ── どの音域・スケール・コードに収めるかを決めます
- 変化 ── LFO やコード進行で、時間とともに揺らします
初回起動と内蔵チュートリアル
はじめてアプリを開くと、「ARPJAM Studio へようこそ」のウェルカム画面が表示されます。OK ボタンを押すと、画面に直接吹き出しが出る内蔵チュートリアルが始まります。本マニュアルのクイックスタートも、このチュートリアルと同じ順序で進んでいきます。
- 「今後この表示を出さない」にチェックを入れておくと、次回以降ウェルカム画面はスキップされます
- 日本語環境の iPad では、初期表示が日本語になります(端末の言語に追従します)。設定の言語チップ(EN / JA)でいつでも切り替えられます
チュートリアルの流れ
ARPJAM Studio は、ランダムに生まれるアルペジオを制御し、組み合わせることで音楽を作る装置です。基本的には、音を鳴らしながらパラメーターを動かしていきます。
-
まず画面構成をつかみましょう。
画面は
MASTER/ARP A/ARP B/DRUMS/CONTROL/SYSTEMの6つのパネルでできていて、横スクロールで切り替えます。各パネルの中身は縦スクロールで表示します。 -
とりあえず鳴らしてみましょう。
ARP Aのスイッチだけを ON にして、ARP B と DRUMS は OFF のままにします。プレイボタンを押すと、アルペジオが流れ始めます。 -
波形を選びます。
ARP A の
OSCILLATORセクションの WAVEFORM で、音のもとになる波形を選びます。5種類あるので、好きな音に切り替えてみてください。 -
音質を変えてみます(その1・CUTOFF)。
ARP A の
FILTERセクションの CUTOFF を動かします。高音の削られ方が変わり、演奏中に動かすと曲全体の表情が変化します。 -
音質を変えてみます(その2・5th)。
ARP A の
OSCILLATORセクションの 5th を動かします。5度上の音を重ねる量です。上げると厚みが出ますが、和音感も常に出るので、ちょうど良いバランスを探してみてください。 -
エフェクトをかけてみます。
EFFECTSセクションの DRIVE を動かして、音に歪みを加えます。気持ちの良いところで止めましょう。 -
音の表情を整えます(ENVELOPE)。
ENVELOPEセクションの ATTACK(立ち上がり)と RELEASE(余韻)を動かして、音の出方を調整します。 -
アルゴリズムを調整します(その1・NOTE RATE)。
ALGORITHMセクションの NOTE RATE で、音の出る細かさを変えます。演奏中に動かすと面白い効果が出ます。 - アルゴリズムを調整します(その2・POSITION)。 同じセクションの POSITION で、基準になる音の高さを動かします。
- アルゴリズムを調整します(その3・DENSITY / DOUBLE)。 DENSITY(発音の確率)と DOUBLE(連打される確率)を動かして、変化を楽しみます。
-
アルゴリズムを調整します(その4・アルゴリズムタイプ)。
音の発音アルゴリズムを、
ALGORITHMセクションの ARPEGGIO TYPE のプルダウンから選びます。音の出かたが、がらっと変わります。Patternを選ぶと、オリジナルのメロディを打ち込むこともできます。 - 音を重ねます(ARP B)。 ARP B のスイッチを ON にすると、別のアルペジオが重なり、演奏がぐっと豊かになります。
-
ベースを足します。
ARP A の
OSCILLATORセクションの BASS を ON にする(スライダーで音量を調整)と、いま鳴っている ARP A と同じ音がベースとして加わります。BASS LAG を ON にすると、その演奏を1拍ずらして、より複雑なリズム感になります。 - リズムを足します(DRUMS)。 DRUMS のスイッチを ON にします。2つのアルペジオとドラムが重なって、音楽が組み上がっていきます。
- テンポを変えます。 MASTER の BPM スライダーを動かします。同じ曲でも、テンポが変わると表情が変わります。
- あとは自由に試しましょう。 ここまで触ったのはごく一部です。怖がらず、ほかのパラメーターも動かして、自分だけの音楽を作ってみてください。
メイン画面の見方
画面は 6つのパネルで構成されています。
全体の設定
BPM・KEY
アルペジオ
ジェネレーター1
アルペジオ
ジェネレーター2
リズム
ジェネレーター
コード進行
モジュレーション
セーブ・ロード
同期の設定
各パネルの内部は OSCILLATOR / FILTER / ENVELOPE / ALGORITHM / EFFECTS といったセクションに分かれています。
画面上部のヘッダーには、再生コントロール、現在のキー&スケール、STOCKS、Tap / BPM、そして PLAY PAD・OVERVIEW・EDIT のボタンが並びます。
ナビゲーション
- 横スクロール ── 6つのパネル(MASTER / ARP A / ARP B / DRUMS / CONTROL / SYSTEM)を左右に切り替えます。パネルはスナップして切り替わります
- 縦スクロール ── 1つのパネル内のセクションを、上下に見ていきます。中身を複数ページに分けている場合は、ページ単位でスナップして送れます
- パネルタブ(画面下部) ── 画面の下に
Master/ARP A/ARP B/Drums/Control/Systemのタブが並びます。タップ、または指でなぞると、そのパネルへすぐに移動できます。いま表示しているパネルのタブはハイライトされます - ページドット ── パネルの中身を複数ページに分けているときは、ページの位置を示すドットが表示され、いまどのページを見ているかが分かります
- EDIT ボタン ── ページ構成を編集するモードに入ります。詳しくは ページ構成のエディット を参照してください
- UNDO ボタンv2 ── 直前の操作をひとつ戻します。スライダーの動かしすぎ、チップの押し間違い、モチーフの世代交代など、設定を変えるほとんどの操作が対象です(続けて押せばさらに遡れます)
ページ構成のエディット
ARPJAM Studio の画面は、左右にスクロールする 6つのパネル(MASTER / ARP A / ARP B / DRUMS / CONTROL / SYSTEM)でできています。パネル自体の並びや構成は変更できませんが、それぞれのパネルの中身(OSCILLATOR / FILTER / ENVELOPE / ALGORITHM / EFFECTS など)の縦の並びや、何を表示するかは、自由にカスタマイズできます。
各パネルの内部は、複数のページに分けて構成できます(ARP A / ARP B は最大5ページ、DRUMS は最大7ページ)。セクションをページ間で移動させたり、まとめて1画面に詰めたりできます。
- ページをまたいでセクションを並べ替えられます ── ドラッグで、好きなページの好きな位置に動かせます
- 1ページに全セクションを集約することも、1ページ=1セクションに分けることもできます
- 演奏スタイルや端末サイズ、ライブ用途などに合わせて、自分の使いやすい構成に整えてください
ジェネラティブビュー
ARP A・ARP B・DRUMS の各パネルのヘッダには、いまそのパートで生成されている音楽の動きをリアルタイムに映し出す
ジェネラティブビューがあります(GENERATIVE VIEW と表示されます)。
これから鳴らそうとしているノートや、DRUMS の発火などが、アニメーションとして流れていきます。
- 音と画面が連動します ── いま起きているジェネラティブな動きを、目でも確かめられます。「DENSITY を上げると流れが詰まる」「次や、その次の和音構成が変わる」といった変化が、視覚的に分かります
- 表示は閉じられます ── 各パネルのトグル(▲/▼)をタップすると、そのパネルのジェネラティブビューを折りたたんで非表示にできます。もう一度タップすれば元に戻ります
- DRUMS はレーン名をタップして楽器を ON / OFF できます ── ビューの下にある
KICK/SNARE/HIHAT/NOISEの帯をタップすると、その楽器が鳴る・鳴らないを切り替えられます。ON の帯はカラー、OFF の帯はモノクロになります。DRUMS パネルの各楽器のスイッチと同じもので、どちらを操作しても両方に反映されます
MASTER ── 全体の設定
MASTER は、曲全体に効く共通設定が集まったパネルです。テンポ、調性、マスターエフェクト、全体にかかるパフォーマンスFXなどが、ここに並びます。
Outputv2.4
アプリの出口そのものです。初期状態(Volume 100% / EQ すべて 0 / Comp ON・−3.0 dB)は、2.3 までとまったく同じ音で、これまでに作ったパッチの鳴りかたは変わりません。
- Volume ── マスターの出力音量です(0〜200%)。コンプの後ろ・最終段の手前にあるので、Comp を切っているときにここを下げれば歪みも収まります。100% より上に上げることもできますが、その分だけ最終段で頭打ちになりやすくなります
- Low / Mid / High ── マスターのイコライザーです(Low = 320 Hz より下、Mid = 1 kHz を中心とした広い山、High = 3.15 kHz より上。各 ±18 dB)。3つとも 0 のときは、EQ を1つも通りません ── 「フラットな設定のフィルターを通す」のではなく、段ごと飛ばしています。だから 0 のままなら音は一切変わりません
- Comp ── マスターのコンプレッサーです。出力が歪まないように押さえている段で、音数が増えると音量が下がって聞こえる原因でもあります(4声あたりから効きはじめ、8声では各パートが単独時の半分以下になります)。ライブなどで音の大小をそのまま出したいときは OFF に
- Comp Thr ── コンプが働きはじめる音量です(−12〜0 dB。−3.0 dB が 2.3 までと同じ)。0 に近づけるほど掴まなくなり、大小の差がそのまま残ります
Tremolov2.4
音量を揺らしながら、左右に振るエフェクトです。ARP A と ARP B それぞれの EFFECTS のいちばん下にあり、片方だけに掛けることも、速さを変えて2つ重ねることもできます。
- Tremolo ── そのエンジンの ON / OFF。既定は OFF です
- Trem Depth ── 脈の深さ(0〜100%)。100% で片側が一瞬無音まで落ちます
- Trem Rate ── 脈の速さ(0.1〜20 Hz)。拍には同期せず、自分の速さで揺れます
Global
- BPM ── 曲のテンポを決めます。画面上部の TAP ボタンを4回叩いて入力することもできます。MIDI Clock / Ableton Link を受信している間は外部テンポに従うため、スライダーは読み取り専用になります
- Groove ── スウィングの量を 0〜100% で調整します。0% でストレート、上げるほど跳ねた感じになります
- Time Sig ── 曲全体の拍子です。
3/4〜12/8の10種類から選べ、ドラムグリッド・拍ドット・コード進行がすべて追従します。詳しくは TIME SIG / ACCENT を参照してください - Accent / Accent Vel ── 変拍子(7/4・7/8)のアクセントのまとまり方の切り替えと、アクセント位置の ARP を強調するスイッチです(同じく TIME SIG / ACCENT 参照)
- Key ── 全エンジン共通のキー(主音)を選びます
- Scale ── 全エンジン共通のスケールを選びます。ピッカーからは
Major/Minor/Lydian/Dorian/Phrygianの5種類を選べます
Master Effects
- Delay Type ── ディレイの種類を選びます(
Ping=ピンポンで左右に跳ねる /Mono=中央でそのまま繰り返す) - Delay Time ── ディレイの間隔を、BPM に対する比で選びます(
1/8/3/16/1/4/3/8) - Reverb Type ── リバーブの種類を選びます(
Room/Hall/Plate) - Pitch Comp ── 高音域の音量を補正します。上げると、高い音がベースとよりバランスよく聞こえます
- Stereo Width ── 全体のステレオ感の広がりを調整します
- Pump ── キックが鳴った瞬間に、ベースとリバーブの音量を一瞬下げる、サイドチェイン風の効果です。キックが目立ち、自然なうねりが生まれます
- Drift ── アナログシンセ的なチューニングのゆらぎを加えます。詳しくは DRIFT を参照してください
Performance
パフォーマンスFX(STT / HPF / RES / DLY)のオン・オフと、それぞれの細かい設定が、ここに並びます。PLAY PAD 下部のショートカットから、押している間だけ効くモーメンタリ操作もできます。詳しくは パフォーマンスFX を参照してください。
ARP A / B ── ふたつのアルペジオエンジン
独立した2つのアルペジオエンジンを、5つのセクション(Oscillator / Filter / Envelope / Algorithm / Effects)で編集します。それぞれ独立に ON / OFF できます。
Oscillator ── 音の素
- Level ── そのエンジン全体の音量です(0〜100%)
- Waveform ── 音の波形を選びます(
sin/tri/saw/sq/piano/ep/chime/kalimba/handpanの9種類)。pianoはサンプリングしたピアノ音源で、フィルターやエンベロープをかけると、面白い音色に発展させられます。v2.2epは合成によるエレクトリックピアノ音源です。v2.5chimeは金属棒のチャイム音源です。v2.6kalimbaは親指ピアノ、handpanはハンドパンの音源です - Characterv2.2 (sin / tri / saw / sq のみ) ──
PUREは数学的に正確な波形(従来どおりの音)。ANALOGはアナログシンセの不完全さ(わずかな波形の歪み・ゆっくりしたピッチドリフト・発音ごとのランダムな開始位相・軽いサチュレーション)を再現します。和音で鳴らすと暖かく広がりが出ます - Vel Sensv2.2 ── シーケンスの打鍵の強さです(×0.25〜×2.00、基準は ×1.00 =ベロシティ100)。Level と違って手弾き(MIDI 鍵盤 / PLAY PAD)には影響しないので、シーケンスと自分のタッチの音量バランスを取るのに使えます。MIDI Out のベロシティにも反映されます
- 5th ── 5度上の音を重ねる量です(0〜100%)。和音感が出て、広がりが生まれます
- Octavev2.4 ── 1オクターブ上の音を重ねる量です(0〜100%)。5th と同じ経路を通るので、メイン音の一部として聞こえます。和音感を足さずに音を明るく・前に出したいときはこちらです。5th と違って、スケールから外れて鳴らないことがありません(オクターブ上は必ず同じ音名だからです)。オクターブ上がサンプリング周波数の半分を越えてしまうほど高い音では、重ねません
- CHIME についてv2.5 ── 金属棒のチャイム音源です。部分音が整数倍ではないので、和音に溶けきらない澄んだ響きになります。低い音ほど長く伸びます(伸ばしたくないときは ENVELOPE の Decay / Release で切ります)。強く鳴らすほど明るくなります
- KALIMBA についてv2.6 ── 親指ピアノ(カリンバ)の音源です。実物を計測して合成しています。はじいた瞬間だけ高い響きが乗り、すぐ消えます。低い音ほど長く伸びます。強く鳴らすほど明るくなります
- HANDPAN についてv2.6 ── ハンドパンの音源です。実物を計測して合成しています。たたいた音のまわりで低い音域がいっしょに鳴り、厚みが出ます。たたいた直後より少し遅れて響きが育ちます。よく伸びるので、初期設定の Decay / Sustain / Release も長めにしてあります
- Bass ── アルペジオと同じピッチクラスを、オクターブ2で鳴らすベース層です(ON / OFF スイッチ+音量スライダー。v2 旧 Low / Mid / High はスライダーの 20% / 60% / 100% に相当します)。フィルターやエフェクトはバイパスされ、マスターへ直接送られます
- Bass Lag ── ON にすると、上記のベースを1拍遅らせて鳴らします。対旋律的なベースラインになります
Filter (Lowpass) ── 音の質感
ARPJAM Studio のフィルターは ローパスフィルター(高域を削るタイプ)のみです。下記のタイプは、いずれもローパスフィルターの性格づけの違いです。
- Filter タイプ ──
Classic/Acid/Acid-Subから選びます。Classic は素直なローパス、Acid はレゾナントで粘りのある質感、Acid-Sub は Acid に1オクターブ下のサブを加えた太い質感です - Cutoff ── 高域をどこから削るかを決めます。対数カーブで、低域側の解像度が高くなっています
- Resonance ── Cutoff 付近の倍音を強調します。Acid 系を選んでいるときに、特にはっきり効きます
- Key Followv2 (Classic のみ表示) ── 中央ドより低い音のカットオフを引き上げ、低音が削られすぎないようにします。低音は基音よりずっと上の倍音に音色の大半があるため、同じカットオフでも高音より遥かに多くを失います。100% で鍵盤に完全追従(1オクターブ下がるごとにカットオフも1オクターブ上)、0% で従来どおり。中央ド以上の音は変わらないので、Cutoff の数値の意味はそのままです
- Filter Env(Amount / Decay / Accent Prob) (Acid 系のみ表示) ── ノートが鳴るたびに Cutoff が一瞬開いて戻る効果です。Amount で開く深さを、Decay で閉じるまでの時間を、Accent Prob でアクセント発音になる確率を決めます
- v2.2 フィルターの設定(タイプ / Cutoff / Resonance / Key Follow)は波形ごとに別々に記憶され、Waveform を切り替えるとその波形の設定に戻ります。v2.6 9つの波形それぞれが自分の設定を持ちます(v2.5 までは sin / tri / saw / sq の4つが1組を共有していました)。前のバージョンで作ったパッチは、読み込むときに今までどおりの音になるよう配り直します
Envelope (ADSR) ── 音の時間変化
1音1音の時間的な表情(立ち上がり方・余韻の長さ)を決めるセクションです。シンセサイザーの基本となるパラメーターで、4つの値の組み合わせで、音色の印象が大きく変わります。
- Attack ── 音が無音から最大音量に達するまでの時間です。短いとバキッと立ち上がり、長いとふわっと立ち上がるパッド的な表情になります
- Decay ── 最大音量から Sustain レベルまで落ちていく時間です。短いとパーカッシブに、長いとなめらかに聞こえます
- Sustain ── 音を保持しているあいだの音量レベルです(0〜100%)。Note Length が
HOLDのときは、次の音が鳴るまでこのレベルが保たれます - Release ── 音が終わってから、完全に無音になるまでの時間です。長くすると残響のような余韻が残り、短くするとピタッと止まります
- v2.2 エンベロープの設定も、フィルターと同じく波形ごとに別々に記憶されます。v2.6 こちらも9つの波形それぞれが自分の設定を持ちます
Algorithm ── どんなふうに音を導くか
アルペジオの「生成のしかた」を決めるセクションです。選んだ Arpeggio Type によって、表示される項目が入れ替わります。
- Avoid Mode ──
Normal/Avoidから選びます。Avoid にすると、鳴っている音と半音でぶつかる候補を避けます(ARP B のときは、ARP A の音も回避の対象になります) - Arpeggio Type ──
Random Chord/Random Single/Random Repeat/Random Motif/Random Skank/Random Drone/Pattern 1/Pattern 2から選びます(各タイプの詳細はアルペジオタイプを参照してください) - Density(0〜100%) ── 発音の確率です
- Double ── 発音した音が、高速の連打になる確率です
- Note Rate ──
8th/16th/32ndから、音の出る細かさを選びます(Random Chord・Random Single で表示されます) - Contour ── 音選びに「旋律の慣性」を与えます(Random Chord・Random Single で表示されます)。詳しくは CONTOUR を参照してください
- モード固有パラメーター ── 選んだ Arpeggio Type に応じて、ここに表示が入れ替わります(Repeat Slots / Repeat Mute =Random Repeat、Generate / Motif Notes / Mutate / Save Motif =Random Motif、Duration (bars) =Random Drone、Pattern Slots =Pattern など)
- Position(0〜6) / Range (oct)(1〜3) ── 音域の中心の高さと、どれだけの範囲から音を選ぶかを決めます
- Chord Mix(Random Chord) ── 単音 / 3度和音 / 5度和音 の比率です
- Note Length ── 音を鳴らす長さの比率です。
SHORT(約1/16拍の短い音) /LONG(約1/4拍) /HOLD(次の音が来るまで押さえ続ける)の3つの割合を、帯グラフで指定します - Tiev2.2 ── ON にすると、次のスロットにも音がある場合に前の音を切らず、次の音までつなげて発音します(レガート)。音が連続していないときは、従来どおり Note Length と PEDAL の設定で発音します
- Portamento(Time / Amount)(Random Single) ── 前の音から次の音へ滑らかに繋ぐ機能です。Time で滑る時間を、Amount でかかる確率を決めます
Effects ── 各エンジンのエフェクト送り
- Drive / Type ── オーバードライブの歪み量と種類です(
Warm/Bright/Wail/Grind/Fuzz) - Delay Send / Reverb Send ── そのエンジンの音を、マスターのディレイ・リバーブにどれだけ送るかの量です
⚠ Delay と Reverb 本体の設定(Type / Time など)は、MASTER パネルで行います。
DRUMS ── ランダムリズムエンジン
KICK / SNARE / HIHAT / NOISE の4楽器を、独立に ON / OFF できます。固定パターンではなく、確率と制約でビートを組み立てていきます。
DRUMS 全体の設定
- Level ── ドラム全体の音量です
- Global Density ── 各楽器の Density にまとめて掛かる倍率です。100% でそれぞれの設定のまま、下げると4楽器が一緒に薄くなります。Sequence(打ち込み)と ADD BEAT には掛かりません
- STEPS ── 発音タイミングのグリッドの細かさです。
16th(標準)か8th(半分の密度)を選びます。1小節のステップ数は拍子に追従します(4/4 で16、7/8 で14 など) - Filter (Lowpass) / Cutoff ── ドラム全体にかかるローパスフィルターのカットオフです
各楽器の共通パラメーター
- Level ── その楽器の音量です
- PATTERN ──
Random(確率で鳴る)かSequence(自分で打ち込む)を選びます - Density ── Random のとき、その楽器が鳴る確率です
- Double ── 同じタイミングで高速に2回叩く確率です(連打感)
- Tune ── その楽器の音程を半音単位で上下します(±12半音)。オシレーターだけでなくフィルターも一緒に動くので、下げるとその分だけ暗くなります。長さは変わらないので、リズムはずれません
- Reverb Trim / Delay Trim ── DRUMS 全体の
Reverb Send/Delay Sendのうち、この楽器が受け持つ割合です。100% で全体の設定どおりに送られ、0% でリバーブ/ディレイに入りません
KICK
- Type ──
Original(標準のサインスイープ) /Long(深く長い余韻、いわゆる808系) /Tight(鋭いアタックでタイトに切れる、いわゆる909系) /Round(クリックを持たず、軽く歪ませて丸めた音) /Sub(ほぼ純粋なサイン。立ち上がりが柔らかく、とても低い)から選びます - ADD BEAT ── Density による確率的なキックに加えて、強制的にキックを打ちます。
Off(Density のみ) /4/4(4分音符ごとに必ず鳴る、四つ打ち) /Bar(小節の頭だけ鳴る)から選びます - Decay ── キックの打音が減衰するまでの時間です
SNARE / HIHAT / NOISE
- SNARE Type ──
Original(標準のノイズスネア) /Snap(ドライでキレのあるスネア) /Clap(拍手のような音) /Dry(帯を絞った、紙のように乾いた短い音) /Rim(リムショット。打点のあとに金属の輪とスナッピーが短く残ります)から選びます。Decay でスネアが鳴っている長さを調整できます。Type を選ぶとその音色の素の長さが入り、スライダーはそこからの伸び縮みです(立ち上がりは縮めないので、音のキャラクターは変わりません) - HIHAT Type ──
Original(標準のノイズハイハット) /Metal(メタリックな響き) /Crystal(鐘のように澄んだ響き) /Soft(上を落とした温かく軽い音) /Tick(細く硬い、短いコッという音)から選びます。OPENNESS で、クローズドとオープンの比率を調整します - NOISE ── TYPE BLEND で、
Click/Burst/Crackleの3種類の混合比を調整します
DRUMS 全体のエフェクト送り
- Drive / Type ── DRUMS 全体にかかる歪みの量と種類です(ARP と同じ5種類から選びます)
- Delay Send / Reverb Send ── DRUMS 全体を、マスターのディレイ・リバーブに送る量です(100% まで使えます)
⚠ Delay と Reverb 本体の設定(Type / Time など)と、Pump(キックでサイドチェイン)は、MASTER パネルで行います。
SAMPLE ── 1小節を、バラバラにして組み直す
1小節だけ。録れるのも、読み込めるのも、鳴らせるのも1小節です。制限に聞こえますが、ここが SAMPLE の設計そのものです。1小節に絞ったからこそ、スライスの数がそのまま音価になり(8=8分、16=16分、32=32分、64=64分)、何をどういじってもテンポと拍から外れません。
そのうえで、やることは単純です。取り込んだ1小節をスライスに切り分け、確率で選び直して並べ直す。同じ素材が、二度と同じ形では戻ってきません。ARP A / ARP B / DRUMS と同じ「確率で音楽が動く」という考え方を、あなたが録った音そのものに適用するのが SAMPLE です。2.3 から加わった4本目のマシンになります。
取り込む
- REC ── オーディオ入力(
Input)、またはARP A/ARP B/Drumsのマシンを録ります。Rec Srcで選びます。内部の音声を録音する場合、ディレイやリバーブは録音されません - Count-in ── 本番の前に1小節ぶんクリックを鳴らします。カウントが終わった小節頭から録音が始まるので、頭がきれいに録れます
- LOAD ── 音声ファイルを読み込みます。長さは問いません(下の START / END でどこを1小節として使うか決めます)
- OVERDUB ── 重ね録り。鳴らしたまま、いまある音の上に入力を足していきます。書き込み位置は再生位置そのものなので、テンポと拍に必ず揃います
- CLEAR ── 取り込んだ音を捨てます
どこを1小節として使うか ── START / END
波形の S と E のハンドルで、ファイルのどの部分を1小節として扱うかを決めます。長さの分からないファイルでも、これでテンポに乗ります。− / + でズーム(最大64倍)、FULL を押すと S / E が両端へ動き、取り込んだ音ぜんぶが1小節になります。
Crop の APPLY を押すと、選択範囲の外側を実際に捨ててメモリを解放します。元には戻せません(読み直すか録り直しになります)が、鳴る音は変わりません。
STRETCH ── ここが挙動の分かれ目
SAMPLE でいちばん結果が変わるスイッチです。OFF と ON では、素材の読み方そのものが違います。
STRETCH OFF ── 素材はそのままの速さで鳴る
取り込んだ音を、録れたままの速さで読みます。ピッチは絶対に動きません。テンポを変えても、拍子を変えても、START / END を動かしても、音程はそのままです。
そのかわり、素材の長さと1小節の長さが合わないぶんは、正直に現れます。
- 1小節より素材が短い(テンポを上げた、5/4 にした、範囲を詰めた)── 足りないぶんは空白になります
- 1小節より素材が長い(テンポを下げた、3/4 にした)── 最後まで鳴りきる前に小節が終わり、次の小節の頭からまた先頭に戻ります
4/4 で録ったループを 3/4 に変えると頭に戻り、5/4 に変えると余りが空白になるのは、この動きです。素材を素材のまま扱う、という一貫した振る舞いです。
STRETCH ON(既定)── 選択範囲を1小節ちょうどに伸縮する
選択範囲を、いまのテンポの1小節に合わせて伸ばしたり縮めたりします。テンポを変えても追従するので、空白も頭出しも起きません。ピッチは変わりません。
ON のときは PITCH の意味も変わります。OFF では「速さを変えて音程を変える」(上げると短く、下げると長くなる)のに対し、ON では長さを変えない本物の移調になります。
引き換えに音質が変わります。短い粒を重ねて繋ぐ方式なので、伸ばすほど滲みます。素材の長さがテンポに合っているなら OFF のほうが素直な音です。伸縮が必要な場面だけ ON にしてください。
スライス ── 切り分けて、選び直す
タイトルバーの ON / OFF で、切るか切らないかを切り替えられます。演奏中に切り替えても、その小節で本来鳴っているべき位置から続きます。
- Slices ── 8 / 16 / 32 / 64。これは音価です。1拍は常に4分割(16なら16分音符)で、拍子が変われば1小節の枠数のほうが変わります(3/4なら12枠、5/4なら20枠)
- Head Fadev2.6.1 ── 素材のいちばん先頭だけをフェードインさせます(0〜50ms)。既定は 0 で、何も足しません。録音を始めた時点ですでに音が鳴っていた素材は、先頭が波形の途中から始まるので、最初のスライスが鳴るたびにそこが「パシッ」と出ます。そのときに上げてください。上の Fade は全スライスに掛かりますが、こちらは頭だけなので、他のスライスは変わりません。クロップの開始から測るので選択範囲を動かせば付いてきますし、逆再生でも効きます
- Fade ── スライス1つ1つの頭とお尻を短く滑らかにします(0〜50ms)。既定は 0 で、何も足しません。ランダム再生で「角」が耳につくときに少しずつ上げてください。素材の切れ目がそのまま出るのを抑えます。上げすぎると継ぎ目にわずかな谷ができるので、Sequential で地続きに鳴らしたいときは 0 のままが自然です
- Mode ──
Sequentialは順番どおり(Density 100% なら録ったままのループ)。Randomは無作為に選び、1発ごとに左右へ振ります - Density ── 各スライスが鳴る確率。下げると歯抜けになりますが、枠そのものは進むのでリズムはずれません
- Double ── 半ステップあとにもう一度鳴る確率(ドラムや ARP の DOUBLE と同じ考え方)
- Reverse ── そのスライスが逆再生になる確率
- Pitch Mix ── そのまま / 5度上 / オクターブ上 / オクターブ下 の配合。1スライスにつき1つだけ当たります
- Length ── Short(枠の約1/3)/ Fit(枠ちょうど・既定)/ Hold(次の音まで伸びて隣の枠にかぶる)の出やすさ
Density を下げて Length を Hold にすると、鳴らなかった枠のぶんだけ音が伸びて、元の素材がそのまま繋がって聞こえます。切っているのに切れて聞こえない ── このあたりが SAMPLE の奥行きです。波形のハイライトも、実際に鳴っているぶんだけ広がります。
音づくり
- Level ── 取り込んだ波形そのもののレベル(最大 +6 dB)。波形表示もこの倍率で描きます
- Filter ──
Classicは素直なローパス。Acidは3段のレゾナントローパスで、スライスが鳴るたびにフィルターエンベロープが掛かり直します - Drive / Delay Send / Reverb Send ── ほかのマシンと同じ経路です
- Envelope ── Flat / Long Atk / Steep Dec の出やすさ
ほかの機能との組み合わせ
- コード進行 ── SAMPLE も進行に追従して移調できます(Apply To で SAMPLE を選択)。コードの入った素材では合わなくなることがあるので、既定は OFF です
- GROOVE ── スウィングにも追従します。ARP・DRUMS と同じ規則です
- LFO ── Level / Pitch / Density / Double / Reverse / Cutoff / Resonance / Drive / 各Send と、Slice・Stretch のスイッチに掛けられます
- OVERVIEW ── 右側の4段目に、いまどこを鳴らしているかが出ます
エフェクト
エフェクトは、大きく3つの階層に分かれています。マスター(Delay 1基 + Reverb 1基) / 各エンジン(Overdrive + Send) / パフォーマンスFX です。
マスター Delay
- Type ──
Ping(左右に跳ね返るピンポン) /Mono(中央でそのまま繰り返す)から選びます - Time ── BPM に同期した間隔(
1/8/3/16/1/4/3/8)から選びます
マスター Reverb
- Type ──
Room(短い響き) /Hall(深く長い響き) /Plate(金属板を使った独特の響き)から選びます
Glitch / Granular v2
この機能は v2 以降で使えます。
Reverb Type には、リバーブに加えて Glitch と Granular のふたつのテクスチャー系エフェクトがあります。どちらも「送った音を作り替えて、専用の広い残響に置く」エフェクトです。
- Glitch ── テンポに同期して音を細かく刻み、直前の断片を捕まえて繰り返します。
Size(刻みの長さ 1/4〜1/32) /Chance(繰り返しが起きる確率) /Pitch(繰り返しがオクターブ跳躍する確率)。繰り返しは1回ごとに左右へ振り分けられ、ステレオの広がりが出ます - Granular ── 音を短い粒に分解し、雲のように再構成します。
Size(粒の長さ 30〜250ms) /Pitch(粒が音程変化・逆再生する確率)。粒は左右にランダムに配置され、自然なステレオの広がりが生まれます - Reverb Depth ── どちらにも共通。0% でエフェクトの素の音、100% で専用の広い残響に完全に沈みます
- この残響の減衰の長さは HALL と同じです。HALL より第一反射が遅く返るぶん、奥行きだけが深く感じられます
各エンジンの Overdrive
- Type ──
Warm/Bright/Wail(ギターアンプ風) /Grind(ザラ系) /Fuzzから選びます
パフォーマンスFX(MASTER 下部の4スイッチ)
- STT ── Stutter(演奏の短い断片を捕まえて、連続ループします)
- HPF ── HPF Sweep(ハイパスフィルターで低音を瞬間的にカットします)
- RES ── Resonator(いまのコード音で共鳴させます)
- DLY ── Delay Throw(ディレイのフィードバックを一時的に暴走させます)
PLAY PAD の下部バーにもショートカットがあり、押している間だけ ON になるモーメンタリ操作ができます。
PLAY PAD と XY Modulation Pads
画面上部の 「Play Pad」ボタン をタップすると、設定画面から演奏特化モードに切り替わります。 スライダーやチップが消え、画面いっぱいに2枚の大きなパッド(ARP A 用・ARP B 用)が広がり、指でじかに演奏・変調できる状態になります。
PLAY PAD には用途の違う 2つのモードがあり、画面上部の PLAY / XY 切り替えボタンで、いつでも行き来できます。
① PLAY モード ── パッドで音を鳴らす
パッドに触れると、そのエンジン(ARP A / ARP B)がいま扱っている音が、その場で発音されます。 鳴る音は、設定中のスケール・コード・音域から選ばれた音だけなので、鍵盤や音楽知識がなくても、外れた音が出にくい構造です。
- 横方向(X軸) ── そのエンジンが扱う音が鍵盤のように並びます。左右にスライドすると、隣の音に切り替わって鳴り直します(同じ音の上で止まっているあいだは、鳴りっぱなしになります)
- 縦方向(Y軸)v2 ── 押さえたまま指を上下にスライドすると、フィルターの CUTOFF が一時的に変わります。上で開いて明るく、下で閉じて暗くなります。指を離すと元の値に正確に戻るので、演奏中のワンポイントの表情づけに使えます。効き幅はパッド全高でスライダーの約40%ぶんです(Classic / Acid どちらのフィルターにも効きます)
- 複数の指で押さえているときは、いちばん大きく上下に動かした指がベンドを受け持ちます。和音を押さえたまま1本だけ動かす、という演奏ができます
- マルチタッチ対応 ── 複数の指で同時に押せば、それぞれの指が別の音を鳴らし、重ねて演奏できます
- 指を離すと、その音は
RELEASEの設定に従って自然に消え、音量と明るさも元に戻ります - 同じキーを重ねて押したときv2.5 ── 鳴るのは、その鍵盤に最初に触れた指だけです。上から重ねて押しても鳴り直しません。指を入れ替えながら押さえ続けられ、最後の指が離れたときに音が止まります
- 鳴っている音が光りますv2.5 ── シーケンスが鳴らした音の列が光ります
- PEDAL バーv2.5 ── 2枚のパッドのあいだにある横長のバーです。押しているあいだだけサステインペダルとして働き、指を離した音も鳴り続けます。ARP A と ARP B の両方にかかります。MIDI 機器につないだサスティンペダルも同じように働きます。踏んだ動きはルーパーにも記録されますv2.6.2
ジェネラティブに流れているアルペジオの上に、自分で音を「のせる」感覚で使うモードです。
② XY モード ── パッドで「音色を変調」する
PLAY モードが「音を鳴らす」モードなのに対し、XY モードは すでに鳴っている ARP A / ARP B の音色を、指で変調するモードです。 新しい音は出ず、いま流れている演奏のフィルターや密度などが、指の動きに合わせてリアルタイムに変わります。
- パッドにタッチした瞬間、触れた位置が「いまの設定値」として記憶されます。値はジャンプしません
- 右/上にドラッグすると、割り当てたパラメーターが増加します。左/下にドラッグで減少します
- パッドの全幅で、そのスライダーの全域をカバーします。大きく動かすと大きく、わずかに動かすとわずかに変わります
- 指を離すと、すべての値がタッチ前の状態にスナップバックします。スプリング式のライブ変調なので、元の設定は壊れません
- パッドは ARP A・ARP B でそれぞれ独立しています
- 1枚のパッドにつき、X軸に2つ・Y軸に2つ、合計4つのパラメーターを同時に変調できます
どの軸(X1 / X2 / Y1 / Y2)にどのスライダーを割り当てるかは、自由に変更できます。 詳しくは アドバンス機能 → XYパッドのマッピング(CONTROL パネル) を参照してください。
下部バー(PLAY PAD 共通)
PLAY モード・XY モードのどちらでも、画面下部に共通のコントロールバーがあります。
- ARP A / ARP B / DRUMS の ON / OFF ── 演奏したまま、パートを抜き差しします
- PerfFX ホールド ── STT / HPF / RES / DLY を、押している間だけ ON にします(モーメンタリ操作)
- BPM / TAP ── テンポを確認・入力します
- REC / CLR ── 簡易ルーパーです(下記)
簡易ルーパー(REC / CLR)
PLAY モードで弾いたフレーズを、その場で「掴んで」繰り返す機能です。録音されるのはタッチの情報だけ(音声そのものではありません)で、再生時はそのエンジンの音で鳴り直します。演奏中(Play 中)に使います。
- ループの長さは1小節(16分音符 × 16)で固定です ── 録音を始めたときの BPM を基準に、その1小節がそのまま繰り返されます
- クオンタイズされます ── 弾いたタイミングは、いちばん近い16分音符の位置に自動でスナップします
- 小節の途中からでも録音できます ── 小節の頭を待つ必要はありません。REC を押すと空の1小節ループがすぐに始まり、好きなタイミングで弾いた音が、その拍の位置に記録されます
- REC ボタンの色で状態が分かります
- 赤(録音中) ── 1小節ループを再生しながら、新しいタッチを重ねて録音します(オーバーダブ)。もう一度 REC を押すと、青(再生のみ)に切り替わります
- 青(再生のみ) ── 録音した1小節ループを再生するだけで、新しいタッチは記録されません。もう一度 REC を押すと赤(録音中)に戻り、さらに音を重ねられます
- ペダルも記録されますv2.6.2 ── PEDAL バーを踏んだ/離したタイミングも、弾いた音と一緒に記録され、毎周そのまま再現されます。MIDI 機器のサスティンペダル(CC64)も同じです。ループが再生するペダルと、あなたがいま踏んでいるペダルは別々に扱われるので、ループを流したまま踏んでも取り合いません
- CLR ── ループをクリアして、通常の演奏に戻します
*ループ中も、上のアルペジオや DRUMS は通常どおり動きます。
*各 ARP の ON / OFF に影響されずに、ループは再生されます。
OVERVIEW(俯瞰ビュー)
画面上部の 「Overview」ボタン をタップすると、設定画面・PLAY PAD とは別の俯瞰ビューに切り替わります。 いま動いている LFO(時間変化のモジュレーション)と、ARP A / ARP B / DRUMS がこれから鳴らそうとしている音を一画面で見渡せる、演奏の「見えない裏側」を可視化する画面です。
画面の左側 ── 6つの LFO
左側(画面の約3分の2)に、ARPJAM Studio に搭載されている 6つの LFO(時間とともにパラメーターを揺らす波)が、3×2のグリッドで並びます。
- SINE × 4 ── なめらかなサイン波の LFO です。スライダー系(Cutoff・Density・Reverb Send など)の揺らしに向いています
- PULSE × 2 ── 2つの値を交互に切り替えるパルス型 LFO です。WAVEFORM・BASS・FILTER などの選択スイッチの揺らしに向いています
- 各 LFO には現在の波形位置(フェーズ)が常にアニメーションで表示され、いまどの位相で動いているかが目で分かります
- アサイン先(揺らしている対象のパラメーター名)も一緒に表示されるので、「どの LFO が何を動かしているか」が一目で把握できます
- 各 LFO の Depth(PULSE は Split)と Length のスライダーは、Overview の中から直接いじれます。設定画面に戻る必要はありません(Phase は位相を示すアニメーション表示で、操作するスライダーではありません)
画面の右側 ── ARP A / B / DRUMS の発音予測
右側(画面の約3分の1)に、ARP A・ARP B・DRUMS がこれから鳴らそうとしている音が、上から流れ落ちるピースとして表示されます。 いわば「これから演奏される譜面」が、リアルタイムに流れていく窓です。
- ピースは ARP A・ARP B・DRUMS の3つの枠に分かれて流れます。どの枠に出るかで、どのパートの音かが分かります
- ピースの色は、音(ピッチ)ごとに変わります(同じ音は同じ色)
- ピースの長さで、SHORT / LONG / HOLD の Note Length が確認できます
- DENSITY を上げ下げすると、流れてくるピースの密度が連動して変わるのが見えます
使いどころ
- LFO の動きを確認しながら調整したいときに便利です。設定画面で1つずついじるより、全 LFO を横断して触れるので速く済みます
- 「いまの曲の動き」を視覚で楽しむモードとして。ライブ表示やインスタレーション的な使い方にも向いています
- コード進行で時間軸の展開を仕込んだとき、LFO やノートがどう変化しているかを確認するモニターとして使えます
STOCKS(プリセット)
9つのスロットに、自分の設定を保存できます。画面右上の STOCKS ボタン、または SYSTEM パネルからアクセスしてください。
- タップ ── 保存済みのスロットなら呼び出し、空のスロットなら現在の設定を保存します。読み込みは次の小節頭で切り替わるので、演奏が拍からずれません
- 長押し ── 保存済みのスロットに上書きセーブします
プリセットの書き出し / 読み込み
現在の設定を .arpjam ファイルとして書き出したり、受け取ったりできます。
- SYSTEM パネルの SHARE / Export から、AirDrop / Files / Messages 経由で送信できます
- 受信した
.arpjamをタップすると ARPJAM Studio が起動し、確認ダイアログで内容を確かめてから読み込めます - 古いバージョンで保存されたものも安全に読み込めるよう、未知の値や不正な数値は自動的に取り除かれます
- XYパッドの軸マッピングも、プリセットに含めて保存されます
JAM Library
SYSTEM パネルの SHARE にある 「JAM Library」ボタンから、Web 上の公開プリセット集にアクセスできます。
- ボタンを押すと、
twelvetone.jp/arpjam-library/がシステムブラウザで開きます(アプリの表示言語に追従します) - 気に入ったプリセットの「取り込み」を押すと、確認ダイアログを経て本体に取り込みできます
録音(RECORD)
SYSTEM パネルの Record で、聴こえている音すべて──ARP A / B・DRUMS・エフェクト、そして外部入力──を WAV ファイルに録音できます。
- 録音ボタンで開始し、もう一度押すと停止します。停止後、共有シート(AirDrop / Files / Messages など)で書き出せます
- 録音中もすべての操作ができます。パラメーターを動かしたライブ演奏が、そのまま記録されます
外部入力(INPUT)
SYSTEM パネルの Input で、USB-C オーディオインターフェースや内蔵マイクの音をアプリに取り込めます。取り込んだ音はエンジンと一緒に聴こえ、録音にも一緒に入ります。楽器や声を ARPJAM Studio の演奏に重ねて、1本の WAV に残せます。
- Audio Input ── モニターの ON / OFF です。初回はマイク使用の許可を求められます。TRIM から、出力レベルの補正を調整できます
- Mode ──
Stereo(取り込んだ L/R をそのまま)かMono(全チャンネルを中央にまとめる)を選びます - In Level ── 入力音のミックス音量です(小さい音源向けに最大400%)
- Low-Pass ── 入力のヒスノイズを削るローパスフィルターです(OFF=素通し)
- Delay / Reverb ── 入力をマスターのディレイ・リバーブに送る量です。タイプやタイムは、マスターの設定に追従します
- Hum Filterv2 ── 電源ハム(「ブーン」という低い唸り)を、50Hz または 60Hz とその倍音だけを削って取り除きます。お住まいの地域の電源周波数を選んでください(東日本 50Hz/西日本 60Hz)。詳しくは下の「ハムノイズについて」を参照してください
- Noise Gate / Gate Thresh ── しきい値より小さい入力をミュートして、フレーズの合間の「サー」というヒスを消します
- Input が ON のあいだ、Audio Input の下に実測のレイテンシー情報(例:
48000 Hz · out 5.8 ms …)が表示されます - Feedback Guardv2 ── 内蔵マイクの音を内蔵スピーカーから出そうとしたときに、入力を自動でミュートします(既定 ON)。詳しくは下の「ハウリングについて」を参照してください
- スイッチの右に、入力レベルといま使っている入力元(
MIC/LINE/USBなど)が表示されますv2
v2 以降では、Input の各設定(Mode / Level / Low-Pass / Delay / Reverb / Noise Gate / Gate Thresh)がプリセットに保存されます。Input の ON / OFF 状態も記憶され、次回の起動時に前回の状態で立ち上がります(プリセットを読み込んだだけでマイクが開くことはありません)。
v2 以降では、DRIFT と FLUTTER が外部入力にもかかります。取り込んだ楽器や声が、シンセの音と同じテープに乗っているような質感になります。
そのため、DRIFT または FLUTTER が 0 より大きいと、入力にごくわずかな遅延が加わります。揺れの深さで必要な量が決まり、DRIFT 30% で約 1.5ms、50% で約 3ms です。両方 0 のときは遅延は一切増えません(信号はそのまま素通りします)。モニターの遅れが気になる場合は DRIFT を 0 にしてください。
出力(OUTPUT)v2
この機能は v2 以降で使えます。
SYSTEM パネルの Output で、アプリから出ていく音の形式を選べます。
| Stereo | 通常のステレオ出力です(初期値) |
|---|---|
| Mono | 完成したミックスを左右合算し、両チャンネルに同じ音を出します |
Mono が役立つ場面
- モノラルの PA や、単一のスピーカーで鳴らすとき
- モノラルで再生される可能性がある配信・SNS 動画のとき
- 左右に振った音が打ち消し合っていないかの確認 ── Mono にした瞬間に音が痩せる・消えるパートがあれば、ステレオ幅やパンが行き過ぎています
センターに定位している音の音量は、Stereo と Mono で変わりません。この設定は再生環境についてのものなので、プリセットには保存されません(他の人のプリセットを読み込んでも、お使いの出力設定はそのままです)。
DENSITY(密度)
各エンジンの発音確率です。0% で完全に無音、100% で全スロットが発音します(スロットの数は NOTE RATE によって決まります)。
NOTE RATE
発音判定の細かさを決めます。8th / 16th / 32nd の3段階です。スライダー式なので、LFO で揺らせば「ほぼ16th、たまに32nd」のような、微妙な粒立ちの変化も作れます。
CONTOUR(旋律の慣性)
Random Chord / Random Single の音選びに「旋律の慣性」を与えるスライダーです。0% では毎音が独立したランダム(従来どおり)。上げるほど、順次進行(となりの音への移動)と同じ方向への流れが優先され、ランダムが歌えるラインに変わっていきます。
- 跳躍も低い確率で残るので、機械的な音階練習にはなりません。同じ音の連打は抑制されます
- 100% にすると、ほぼ完全な順次進行でスケールを歌い上げるラインになります
KEY / SCALE
全エンジン共通のキーとスケールを選びます。スケールは Major / Minor / Lydian / Dorian / Phrygian の5種類から選べます。
CHORD MIX
Random Chord モードのときに、単音 / 3度重ね / 5度重ねの比率を設定します。帯グラフをドラッグして、3つの割合を調整します。
AVOID
鳴っている音と半音でぶつかる候補を、自動的に避けます。ARP B では、ARP A の音も回避の対象にできます。
BASS / BASS LAG
各エンジンに、独立したベース層を持たせる機能です。アルペジオが選んだ音と同じピッチクラスを、オクターブ2に固定して鳴らします。BASS LAG を ON にすると1拍遅らせて鳴らし、対旋律的なベースラインになります。
v2 以降では、ON / OFF スイッチの右に音量スライダーが付きます(初期値 20%、右端が最大)。鳴っている最中に動かしても滑らかに追従します。ベースの音程は TUNING の基準ピッチに従い、DRIFT / FLUTTER のテープ揺れも他の音と一緒にかかります。
Random Drone モードでもベースを ON にできます。ドローンでは1音を鳴らしっぱなしにする持続ベースになり、コードが変わるときはフェードせずそのまま次のルートへつながります(BASS LAG は「遅れる」意味がなくなるためグレー表示になります)。
GROOVE
マスターのスウィング量です。0% でストレート、上げるほど跳ねた感じになります。
TIME SIG / ACCENT(拍子)
MASTER の Time Sig で、曲全体の拍子を選べます。上の段が /4系(3/4 / 4/4 / 5/4 / 6/4 / 7/4)、下の段が /8系(5/8 / 6/8 / 7/8 / 9/8 / 12/8)です。ドラムのシーケンスグリッド・スタートボタン横の拍ドット・コード進行の切り替わりが、すべて選んだ拍子に追従します。
- Accent ── 7/4・7/8 を選んだときだけ表示されます。アクセントのまとまり方を切り替えられます(7/4:
4+3/3+4/2+2+3、7/8:2+2+3/3+2+2/2+3+2)。小節の長さは変わらず、強拍の位置だけが移動します - Accent Vel ── ON にすると、アクセント位置に乗った ARP ノートが約2dB強く鳴り、拍のうねりが強調されます(全拍子で有効です)
- 拍子の切り替えは次の小節頭で反映されるので、再生中に切り替えても拍がよれません
- ドラムの Sequence パターンは非破壊です。3/4 に切り替えても、4/4 に戻せば元の16ステップがそのまま復元されます
- Ableton Link / MIDI Clock の同期も、変拍子の小節にあわせて動作します
5th
発音ごとに、5度上の音を重ねます。音色を太くしたいときに上げてください。
Random Chord
もっとも汎用的なモードです。スケール内の音をランダムに選びつつ、確率で3度・5度の音を重ねていきます。Chord Mix で、単音と和音のバランスを決められます。
Random Single
純粋なランダム単音のモードです。Portamento(TB-303 風のグライド。Time 20〜300ms / Amount 0〜100%)を組み合わせると、シンセソロのような表情になります。Note Rate もこのモードで設定でき、8th / 16th / 32nd を選べます。
Random Repeat
1つの音を選び、設定した回数だけリピート演奏します。Repeat Slots で何スロット連続させるかを、Repeat Mute でリピートブロックが無音になる確率を決めて、抜き差しを作れます。
Random Motif
1小節のフレーズ(モチーフ)を自動で作曲してループし、小節ごとに少しずつ進化させていくモードです。完全ランダムと打ち込み(Pattern)のちょうど中間で、「歌っているのに、二度と同じにならない」演奏になります。コード進行を有効にすると、モチーフはコードにあわせてスケール内で移調しながら歌い続けます。
- Generate(⟳ NEW MOTIF) ── 完全に新しいモチーフを生成します。フレーズは固定式で、ほかのパラメーターを変えても勝手に作り直されることはありません
- Motif Notes ── モチーフの音数です(2〜12)。次の生成から適用されます
- Mutate ── 小節ごとにモチーフの1音が変化する確率です。0% で完全ループ、上げるほど速く別のフレーズへ進化していきます。変化する音は、コード進行や AVOID のルールを守って選ばれます
- Save Motif(→ PATTERN 1 / 2) ── 気に入ったフレーズが出たら、その瞬間の姿を Pattern 1 / 2 にスナップショット保存できます。保存したコピーは固定され、Pattern のグリッドで手直しできます(MOTIF 側のフレーズは、その後も進化を続けます)
Random Skank
レゲエ風のリズムです。表拍(4分の頭)では単音を鳴らし、裏拍に和音を当てます。BPM 80〜90 にリバーブを足すと、ダブっぽい雰囲気になります。
Random Drone
長く伸びるパッド音を、小節単位でクロスフェードしながら入れ替えていきます。Duration(bars)で、1つの和音が次へ移るまでの長さを指定します。
v2 以降:コード進行を ON にしている間は、Duration ではなくコードが変わる瞬間にドローンが入れ替わります(Duration はグレー表示)。このときの和音はルート+5度のすっきりした響きです。BASS を ON にすれば、コードのルートを持続ベースが下支えします。
Pattern 1 / Pattern 2
1小節ぶんの自作メロディパターンを、繰り返し演奏するモードです(ステップ数は拍子に追従します。4/4 で16ステップ)。各スロットに「スケール度数」を指定する形式で、コード進行が変わると、その位置に応じたスケール度数で自動的に演奏されます。Pattern 1 と Pattern 2 は、それぞれ別のパターンを保持できる独立したモードなので、2種類のフレーズを作って切り替えられます。Random Motif の Save Motif から、自動生成されたフレーズをコピーして持ち込むこともできます。
コード進行
CONTROL パネルの Chord Progression / Type から選びます。
- None ── コード進行なし。スケール内で完全ランダムに発音します
- I-IV-V / I-V-vi-IV など ── 定番のプリセット進行です
- Auto / Auto (×2) ── マルコフ連鎖による自動進行です
- Custom 1 / Custom 2 ── 自作の16スロット進行です
進行を従わせる ARP は、Apply To で選びます。Apply To が OFF の ARP は、コードに寄らずスケール内でランダムに発音します。
カスタム進行
16スロットに、ローマ数字(I〜VII)で度数を入力します。1スロット=1小節として再生され、空のスロットはスキップされます。
LFO(SINE)
サイン波で、パラメーターを連続的に揺らします。ASSIGN を押してから、揺らしたいスライダーや ON / OFF スイッチをタップして対象を指定します。Depth(揺れ幅)、Length(1周期の長さ。1/16拍〜64小節)、Phase(現在の波形位置)を設定できます。
ON / OFF スイッチに対して LFO を当てたときは、Depth が「ON になる時間の比率(閾値)」として機能します。
v2 以降:Length は短い側がより細かく刻めるようになりました。どの値も拍にきれいに合う長さです。
LFO に LFO をかける ── ASSIGN 中に別の LFO の Depth や Length をタップすると、LFO 同士を重ねられます(例:LFO 2 で LFO 1 の Depth をゆっくり開閉する)。OVERVIEW 画面からも同じ操作ができます。ひとつのパラメーターに複数の LFO を重ねるのも自由です。
LFO(PULSE)
2つの値を交互に切り替える、パルス型の LFO です。WAVEFORM・BASS・FILTER などのチップ選択(多値スイッチ)のモジュレーションに使います。Target A / Target B(揺らす対象を最大2つ)、Split(切り替えの比率)、Length などを設定できます。
XYパッドのマッピング(CONTROL パネル)
CONTROL パネル内の XY Setting セクションで、PLAY PAD の XY 軸を、好きなスライダーに割り当てられます。
- ARP A / B の各パッドごとに、X1 / X2 / Y1 / Y2 の4つのスロットが用意されています
- ドロップダウンには、いま表示中のスライダーだけが候補に出ます(例:Classic フィルター選択時は、Acid 専用のパラメーターは候補に出ません)
- いま非表示のパラメーターに割り当てていた値は
(hidden)と表記されて保持され、対応するモードに戻ると復帰します - 項目はセクション名でグルーピングされます(
FILTER-Cutoff/ENVELOPE-Attack/ALGORITHM-Density/EFFECTS-Delay Sendなど)
初期のマッピングは、下記のとおりです。
| X1 | FILTER-Cutoff |
|---|---|
| X2 | ALGORITHM-Position |
| Y1 | ALGORITHM-Density |
| Y2 | EFFECTS-Delay Send |
マッピングはプリセットごとに保存されます(STOCKS / Export / Import に同梱されます)。Acid パッチと Drone パッチで、別々のマッピングを持たせることもできます。
DRIFT
アナログシンセ的な「微妙にずれる」感触をシミュレートするスライダーです(0〜100%)。発音ごとのチューニングのずれと、音を伸ばしている間のゆっくりしたピッチのゆらぎを加えます。0% は完全に静止したままです。
v2 以降の変更点です。
- 効きのカーブを見直し、少し上げただけではっきり感じられるようになりました
- 発音中のゆらぎをテープの「ワウ」の速さ(1秒に1〜2回程度)に引き上げ、揺れの量そのものもゆっくり呼吸するようにしました。実機のテープは回転ムラの量が一定ではないためです
- DRONE モードにもかかるようになりました。持続音はゆらぎが最も聴こえる場所です
- 外部入力(INPUT)にもかかります ── 詳しくは下の「入力にかかるということ」を参照してください
- エフェクトとして操作できます ── ドローンを鳴らしたままスライダーを動かすと、鳴っている音の揺れがその場で変化します
- RESET SETTING(INIT)での初期値は 0% です
和音や ARP A/B を重ねると、各声部が別々に揺れて厚みが出ます。
FLUTTERv2
この機能は v2 以降で使えます。
DRIFT の隣にある、速いほうのテープのゆらぎです(0〜100%、初期値 0%)。DRIFT とは独立していて、DRIFT が 0 でも単体で使えます。
テープの速度変動には発生源の違う2種類があります。DRIFT が扱うのはキャプスタンの偏芯によるワウ(1秒に1〜2回のうねり)、FLUTTER が扱うのはモーターやギアの振動によるフラッター(1秒に約10回の細かい震え)です。
| 10〜20% | 「揺れ」とは気づかない程度。伸ばした音の輪郭がわずかに滲み、デジタル特有の固さが取れます |
|---|---|
| 30〜50% | 古いテープを再生している質感。ピントがわずかに甘い感じがはっきり出ます |
| 60〜80% | 明確にヘタったカセット。不安定さが表現になるレベルです |
| 90〜100% | 壊れかけの再生機。狙って使う領域です |
ピッチの揺れが速くなるほど、人の耳は「音程の動き」として追えなくなり、代わりに音色のざらつきとして感じるようになります。FLUTTER がちょうどその境目にあるため、深さを上げても「音程が外れた」とは聴こえにくく、「音が落ち着かない」という質感になります。
効きがよく分かるのは、ドローン・HOLD・長いゲートの音、そして SINE や TRIANGLE のような倍音の少ない波形です。短いプラックでは1〜2周期しか通らないため、ほとんど分かりません。
DRIFT と同じく、外部入力にもかかり、鳴っている音に対してリアルタイムに効きます。
TUNING(基準ピッチ)v2
この機能は v2 以降で使えます。
MASTER パネルの Global にある Tuning で、A4(ラの音)の基準周波数を選べます。初期値は 440Hz です。
| 415 | バロックピッチ。現代より半音低い調律です |
|---|---|
| 432 | いわゆる「ヴェルディ調律」。やわらかい響きとされます |
| 435 | 19世紀の標準音(diapason normal) |
| 440 | 現代の国際規格(ISO 16)。初期値です |
| 442 / 444 | 多くのオーケストラが使う、明るめの調律です |
ARP A / B・ベース・ドローン・PLAY PAD など、音程を持つすべての音に適用されます。ドラムは打楽器なので変わりません。他の楽器や既存の音源に合わせたいとき、あるいは全体の響きの印象を変えたいときに使ってください。
なお外部入力には適用されません(取り込んだ音を一定量だけ移調することは、この仕組みでは行えないためです)。入力側を合わせたい場合は、音源側で調整してください。
パフォーマンスFX
MASTER パネル下部にある、4つの飛び道具エフェクトです。PLAY PAD の下部バーにもショートカットがあり、押している間だけ ON になるモーメンタリ操作ができます。
| STT | Stutter ── 指定した拍数で音を切り刻んでループします |
|---|---|
| HPF | HPF Sweep ── 低音を瞬間的にカットします |
| RES | Resonator ── コードトーンで共鳴させます |
| DLY | Delay Throw ── ディレイのフィードバックを一時的に暴走させます |
MIDI INPUT(外部鍵盤)v2
この機能は v2 以降で使えます。
USB や Bluetooth で接続した MIDI キーボードから、ARPJAM Studio を直接演奏できます。SYSTEM パネルの MIDI INPUT セクションで設定します。
| MIDI In | 外部鍵盤からのノート入力の ON / OFF です |
|---|---|
| Target | 弾いた音をどちらのエンジンで鳴らすかを選びます(ARP A / ARP B)。初期値は ARP A です |
| Dynamics | Velocity は打鍵の強さをそのまま音に反映します。Flat は強さを無視して一定の音量・音色で鳴らします |
| Vel Sens v2.2 | 入力ベロシティの増幅率です(×0.50〜×2.00。Velocity 選択時のみ表示)。シーケンスのノートは基準打鍵(ベロシティ100)で鳴るため、普段のタッチがそれより弱いと手弾きが音量で負けます。通常の打鍵がちょうど基準に届くまで上げてください(タッチが70〜80前後なら ×1.3〜1.4 が目安) |
- ダンパーペダル(サスティン / CC64)に対応しています。MIDI キーボードに挿したペダルを踏んでいるあいだ、鍵盤から指を離しても音が伸び続けます
- 外部鍵盤で弾いた音はキーパッドにも点灯します
- ルーパーに記録できます。キーパッドの音域の外にある音も、ペダルの踏み替えも、打鍵の強さも、そのまま記録・再現されます
- 発音のタイミングは MIDI 受信から直接音源に渡しています。画面の描画状況に左右されません
つまみ(コントロールチェンジ)
MIDI の標準コントローラー番号に対応しています。機種固有の割り当てはしていないので、規格どおりに送るキーボードならそのまま使えます。エンジン別の項目は Target で選んだほうを操作します。
| CC 74 | Cutoff(明るさ) |
|---|---|
| CC 71 | Resonance |
| CC 73 / 75 / 72 | Attack / Decay / Release |
| CC 70 | Drive |
| CC 91 / 93 | Reverb Send / Delay Send |
| CC 7 / 11 | Level(音量 / エクスプレッション) |
| CC 5 | Portamento |
| CC 1 / 77 | DRIFT(全体) |
| CC 76 | FLUTTER(全体) |
| CC 64 | ダンパーペダル |
DRIFT と FLUTTER はマスター段の性質なので、Target に関係なく全体にかかります。ピッチベンドは ±2 半音です。
MIDI Clock
USB-C 接続の MIDI デバイス(MIDI-to-USB-C 変換が必要です)から、MIDI Clock を受信できます。SYSTEM パネルの Sync セクションで MIDI Clock を ON にしてください。受信中は、BPM スライダーが読み取り専用になります。
- Offset スライダー ── ±200ms の範囲で、サンプル精度で調整できます。MIDI と Link で、独立した値を持てます
- 自動再接続 ── 起動時やバックグラウンドからの復帰時、外部機器が先に鳴っていても自動で検出します
- 自動停止 ── 外部クロックが途絶えると、勝手に演奏が続行しないようになっています
Ableton Link
同じ WiFi 上にある Ableton Link 対応のアプリや機器(Ableton Move / Live / AUM / Loopy Pro / Koala / Logic Pro など)と、テンポと小節頭を共有します。
- 双方向の BPM ── 誰かがテンポを変更すると、全員が追従します
- サンプル精度の位相整合 ── 内部の同期イベント経由で、ずれなく揃えます
- 状態表示 ── シアンの LED と「Searching… / Linked」のステータスで確認できます。標準の Link 設定(ピア一覧、Start/Stop sync など)は、Settings ボタンから開けます
Start/Stop Sync(再生・停止の共有)
標準の Ableton Link 設定ダイアログで「Start Stop Sync」を ON にすると、再生・停止も双方向で共有できます。
AUv3 プラグインv2
この機能は v2 以降で使えます。
ARPJAM Studio は Audio Unit v3(AUv3)インストゥルメントとして、他のアプリの中で動かせます。AUM / Loopy Pro / GarageBand / Logic Pro(iPad)/ Cubasis などの AUv3 ホストで読み込んでください。
- ホストのトラックに インストゥルメントとして挿し、ARPJAM Studio を選びます
- テンポ・再生停止はホストに追従します(ホスト側で走らせてください)
- 音はホストのトラックに流れるので、ホスト側で録音・ミックス・さらなるエフェクト処理ができます
- 設定はホストのプロジェクトと一緒に保存され、次に開いたときそのまま復元されます
- ホストのオートメーションから主要パラメータを動かせます
v2.4 から、SAMPLE のパラメータもホストに出ています。Level / Pitch / Slices / Fade / Density / Reverse / Double / Pitch Mix / Length / Envelope / Stretch と、フィルター・ドライブ・センドまで、ホスト側のオートメーションで書けます(名前はすべて Sample … で始まるので、一覧でひとかたまりに並びます)。録音まわりの設定(入力の選択・カウントイン・クリック)は、曲の中で動かすものではないので出していません。
v2.4 から、ARP の Octave と MASTER の Output もホストに出ています。Octave Level A / B、Master Volume、Master EQ Low / Mid / High、Master Comp(ON/OFF)、Master Comp Threshold、そして ARP A / B ぶんの Tremolo(ON/OFF)・Tremolo Depth・Tremolo Rate の計14個です。ライブ中にコンプの掛かりをホスト側から動かす、といった使い方ができます。
MIDI で演奏する
ホストの MIDI ルーティングや外部鍵盤から、ARPJAM を楽器として直接弾けます。鍵盤を押している間だけ音が持続し、離すとリリースします。ARPJAM 側に設定は不要で、「誰から受けるか」はホスト(AUM なら MIDI マトリクス)で配線します。
- チャンネル 1 → ARP A、チャンネル 2 → ARP B(MIDI OUT と同じ割り当てです)
- ダンパーペダル(CC64) ── ペダルを踏んでいる間は、鍵盤を離しても音が持続します。ピアノと同じ作法です
- ピッチベンド(±2半音)、モッドホイール(CC1)→ DRIFT、CC74 → CUTOFF に対応
単体アプリでも同じように弾けます。USB-C で MIDI キーボードをつなぐだけで、設定なしでそのまま演奏できます(チャンネル・ペダル・ベンドの対応はすべて共通です)。
エフェクト版「ARPJAM FX」
同じアプリをインストールすると、ホストのエフェクト一覧にも ARPJAM FX が現れます。他のトラックの音に、ARPJAM のディレイ / リバーブ / Glitch / Granular や、DRIFT / FLUTTER のテープ質感をかけられます。エフェクト版は音符を生成せず、入ってきた音の処理に専念します。
公式LPで公開されているサウンド例(twelvetone.jp/arpjam-studio/#sounds)の3プリセットの設定を解析したものです。実物の .arpjam ファイルから抽出した値なので、そのまま再現できます。
レシピ:CITY ── 都会的なアシッドテクノ
都会をイメージした、少しアシッドなテクノです。SAW × Acid フィルターで攻撃的なベースラインを作り、ARP B のパターンレイヤーで広がりを持たせています。
| BPM | 124 |
|---|---|
| KEY / SCALE | A / Major |
| GROOVE | 33% |
| CHORD PROG | None |
| ARP A モード | Random Single |
| ARP A WAVEFORM | saw |
| ARP A FILTER | Acid(Cutoff 292Hz / Resonance 73% / Env Decay 0.48s) |
| ARP A ADSR | Attack 1ms / Decay 156ms / Sustain 78% / Release 148ms |
| ARP A AVOID | ON |
| ARP A Drive | 38% |
| ARP A DELAY / REVERB SEND | 8% / 9% |
| ARP B モード | Pattern 1 |
| ARP B WAVEFORM | tri |
| ARP B FILTER | Acid-Sub(Cutoff 321Hz / Resonance 61%) |
| ARP B 5th | 88% |
| ARP B BASS | ON(60%) |
| ARP B Release | 長め(697ms) |
| ARP B DELAY / REVERB SEND | 7% / 28% |
レシピ:SOFT RAIN ── 春先の柔らかな雨
春先の柔らかな雨をイメージしたアンビエントです。三角波 × Acid フィルターと、5度のレイヤーで「雨だれが空中で混ざる」ような響きを作っています。
| BPM | 75 |
|---|---|
| KEY / SCALE | A / Major |
| GROOVE | 0% |
| CHORD PROG | None |
| ARP A モード | Random Chord(32nd グリッド) |
| ARP A WAVEFORM | tri |
| ARP A FILTER | Acid(Cutoff 280Hz / Resonance 30%) |
| ARP A ADSR | Attack 5ms / Decay 325ms / Sustain 80% / Release 625ms |
| ARP A 5th | 80% |
| ARP A AVOID | ON |
| ARP A DELAY / REVERB SEND | 14% / 30% |
| ARP B モード | Random Repeat |
| ARP B WAVEFORM | sin |
| ARP B FILTER | Classic(Cutoff 高め) |
| ARP B BASS / BASS LAG | ON(20%) / ON |
| ARP B AVOID | ON |
| ARP B DELAY / REVERB SEND | 14% / 40% |
レシピ:UNDER THE PALM ── 木陰のチル
夏の日差しのもと、木陰でチルする時間をイメージしました。サイン波 × 三角波の組み合わせと、レゲエ風の Random Skank モードで、ゆったりした時間の流れを作ります。
| BPM | 70 |
|---|---|
| KEY / SCALE | A / Major |
| GROOVE | 15% |
| CHORD PROG | None |
| ARP A モード | Random Chord(32nd グリッド) |
| ARP A WAVEFORM | sin |
| ARP A FILTER | Acid(Cutoff 338Hz / Resonance 29%) |
| ARP A 5th | 51% |
| ARP A BASS / BASS LAG | ON(20%) / ON |
| ARP A AVOID | ON |
| ARP A DELAY / REVERB SEND | 6% / 13% |
| ARP B モード | Random Skank(レゲエ風) |
| ARP B WAVEFORM | tri |
| ARP B FILTER | Acid(Cutoff 374Hz / Resonance 21%) |
| ARP B 5th | 68% |
| ARP B AVOID | ON |
| ARP B DELAY / REVERB SEND | 6% / 14% |
音源クレジット
PIANO は v2 で全面的に作り直しました。3 段階の強弱(ベロシティ)レイヤーで、弱く弾くと音量だけでなく音色そのものが変わります。ステレオ収録のまま鳴らし、離鍵時のダンパー音も加えています。減衰の長さは音域ごとに最適化しました(低音は長く、高音は短く)。
同じ鍵を弾き直したときは、前の音がなめらかに畳まれてから新しい音が鳴ります。実際のピアノでは 1 つの鍵に 1 組の弦しかないためで、これがないと同じ録音が重なって「コーラスがかかったような」音になります。
音は、Alexander Holm 氏が Yamaha C5 を録音した Salamander Grand Piano V3 を使用しています。ライセンスは Creative Commons Attribution 3.0 (CC BY 3.0) です。
ARPJAM Studio 用に、3 段階の強弱(ベロシティ)レイヤー・ステレオ・離鍵時のダンパー音・音域ごとの減衰長を選び直して収録し直しています。
この表記はライセンスの条件であり、アプリ本体の画面下部にも表示しています。
トラブルシューティング
音が出ない
- iPad のサイレントスイッチとボリュームを確認してください
- ARP A / B / DRUMS のいずれかが ON(各パネルのスイッチ)になっているか確認してください
- MASTER の Play / Pause が一時停止になっていないか確認してください
- マスター音量や、各 Level が0になっていないか確認してください
XYパッドが効かない / 設定したパラメーターが見つからない
- CONTROL パネルの XY Setting で、いまのフィルターやモードに対応する選択肢になっているか確認してください
(hidden)表記のものは、対応するモードに戻ると復活します(設定は保持されています)
Ableton Link がつながらない
- 同じ WiFi ネットワークにいるか確認してください
- iOS の設定 → ARPJAM → ローカルネットワークが ON になっているか確認してください
- 標準の Link 設定ダイアログで、「Link」自体が ON になっているか確認してください
テンポが急にずれる
- MIDI Clock / Link を受信中は、外部テンポに従います。Sync を OFF にすると、内部の時計に戻ります
- Offset スライダーで、±200ms までレイテンシを補正できます
外部入力の音が遅れて聞こえる
- 取り込み経路の遅延(数十ms)は、システムの構造上ゼロにはできません。楽器の演奏モニターは、オーディオインターフェースのダイレクトモニター機能をお使いください
- Bluetooth スピーカー / イヤホンは遅延が大きく増えます。有線での接続をおすすめします
- v2 以降:DRIFT / FLUTTER が 0 より大きいと、入力に数ミリ秒の遅延が加わります(DRIFT 30% で約 1.5ms)。両方 0 にすると、この分は完全になくなります
内蔵マイクでINPUTを入れると「ピー」と大きな音が出る
- ハウリングです。マイクがスピーカーの音を拾って繰り返し増幅されている状態で、マイクとスピーカーが同じ本体にある以上避けられません
- イヤホンかオーディオインターフェースをつなぐと解決します
- v2 以降は Feedback Guard(既定 ON)がこの状態を検知して入力を自動ミュートします
USB機器を抜いたら入力の音がおかしくなった
- USB機器を抜くと、自動的に内蔵マイクへ切り替わります。Input を一度 OFF にして数秒待つと、出力は通常の状態に戻ります
JAM Library を読み込んでもアプリに戻らない
ブラウザ上で arpjam:// リンクを許可してください。.arpjam ファイルを Files に保存して、そこからタップしても、同じ確認フローに入れます。
開発元
ARPJAM Studio は twelvetone が開発・販売しています。
ご感想・要望・不具合報告は、office@twelvetone.jp までお願いします。
JAM Library: twelvetone.jp/arpjam-library/
対応アプリバージョン: